obsidianでは、ファイルエクスプローラー(左のバー)内のファイルの場所をドラッグ&ドロップなどで好きに順番を入れ替える機能がありません。
ドラッグ&ドロップでは、「フォルダにファイルを移動」させる機能のみがあり、ファイル間の表示順序を入れ替えるには、ソートでの並べ替え機能しかありません。
ファイル名などで順番を入れ替えたりすることはできるので、詳しく知りたい方は↓こちらの記事をどうぞ
本記事では、なぜこんな不便なことになっているの?という理由を解説します。
なぜファイルの並べ替えが簡単にできないのか
結論から言うと、そもそもとしてobsidianは独立したmdファイル群を「ファイル名」で並びを認識する仕様になっています。
obsidianはあくまで、「md(マークダウン)形式のFile」を編集するエディタであり、md形式のメモ群とobsidianはそれぞれ独立した存在(お互いが従属関係にない)です。obsidianで作ったmdファイル(メモファイル)は、他のメモアプリでも容易に開けますし、その逆もまた然りです。
対照的に、ファイルを自由に並べ替えることができるメモアプリ(例えば、iOSの標準メモアプリ等)で作ったメモ群は、メモに独自のデータベースを応用しているので、基本的にそのアプリでしか開けないような従属的な関係であることが多いです。
つまりは、「ファイルの並べ替えができる=そのアプリでしかメモが開けない(あるいは開きにくい)」ということになってしまいます。トレードオフです。
iosの標準メモアプリ等でのファイルの扱い方
メモをアプリ内で並べ替えられる例として、iOSの標準メモアプリを例に出しましょう。
iOS標準メモアプリは、メモをアプリ内で管理する際には、データベースを利用しています。
このデータベースには、各メモのタイトルや内容、作成日時、更新日時などが保存されています。
そして、ユーザーがメモをドラッグ&ドロップして自由に並べ替えた場合、実際にはデータベース上で、各メモの順番が変更されることになります。順番も含めてデータベースに保存されていると考えていいです。
故に、ファイルの並びに関するデータはiOSメモアプリ内にのみ存在し、他のアプリではその順番に関するデータを引き継ぐことはできません。
「あなたがiOSメモアプリ内で作ったメモ群って、iOSメモアプリでしか普通開かないよね?ね?」
ということです。
obsidianでのファイルの扱い方
対して、Obsidianで作ったメモファイルはすべてMD(マークダウン)ファイルとして作られますので、他のメモアプリ(MDファイルを扱える)でも簡単に開いて編集することができるようになっています。
「obsidianであなたが開いて編集するメモファイルって、きっとほかのアプリでも開くよね?そこんとこ配慮しとくよー」って設計思想です。
その逆もしかりで、MDファイル群であれば、他のメモアプリで作ったものでもobsidianで簡単に開いて編集できます。
このように、MDファイルを別のメモアプリ間でやりとりすることを前提に考えると、obsidianは「ファイルの順番」等に関する内部データベースに依存しないほうがいい。
メモの情報を「名前」から判断し、ファイル名を変更することでメモの並び順を変更する仕様にした方が都合がいいことになります。
obsidianでは、ファイル名の接頭に「1.〇〇」、「2.〇〇」とつける、つまり「ファイル名を変更」したりすることによって、ソートにより順番を好きなように変えることができます。
ファイル名で順番を捉えると他のMDファイルを開けるメモアプリでも同じような順番でソートできるので、
すなわち、「ファイル名で並び順を管理すると、他のメモアプリでも同じ並びが再現できる」わけです。
iOS標準アプリのように「内部にファイルの順番に関するデータベースをもつアプリ」とは、obsidianの設計思想は最初から違うということですね。
*また補足ですが、フォルダにメモfileを移動させる場合どういう処理になるかというと、あるメモのファイル名が「my_note.md」という名前で保存されていた場合、そのメモを「new_folder」というフォルダに移動させることは、ファイル名を「new_folder/my_note.md」と変更することになります。ここでもobsidianの「ファイル名」で判断するという仕様が表れていることがわかります。
まとめ
以上、
ファイルエクスプローラー内でファイルの順番をドラッグ&ドロップで入れ替える機能がない理由は、
「obsidianとmd形式のメモ群とが独立しているから」ということを解説した記事でした。
ファイルの並べ替えや、ファイルエクスプローラーに上位表示させるファイルの考え方については、↓こちらの記事をどうぞ。